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ゾンビ発生の公式発表から数日。 康男は、一人で街を歩いている。身の危険を感じいていないわけではない。 その証拠に、きょろきょろと辺りを見回しながら慎重に歩いている。 昨夜、康男はホームセンターから追い出されたのだ。 食料が足りない。それが理由だが、康男はそれが嘘だと知っている。 鬱陶しいから捨てられた。それが本当の理由だ。 康男にとってゾンビ騒動は有難かった。苛められるために学校へ行くことが無くなったからだ。 殴られるか、笑われるか、無視されるか。それが康男の学校生活の三択だった。 だが、避難先でも状況は変わらなかった。 考えてみれば、避難してきたのは近所の人間ばかり。つまりクラスメートだ。状況は変わっていなかった。 そして、康男は捨てられた。 食料を配るとき、完全に無視されていた。 しかし、口減らしを捜すときは全く無視されなかった。 立ち止まる康男。 ゾンビが死体を食っている。康男は震えだした。 足が動かない。震える身体がいうことを聞かない。逃げられない。 ゾンビがこちらに気付いた。叫ぶ康男。助けはない。 数日後。 彷徨う康男はようやく気付いた。 自分は、ゾンビにすら無視される人間だと…。
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車で焼け死んだカップルを貪り食う人々。 木の板で塞がれた窓から進入しようとする白い腕。 腹を撃たれても表情一つ変えない男――― キラリとメガネを光らせながら、一人の男がため息をついた。 5分程にまとめられた映像が終わり、部屋のライトがつく。 「総理、同じ事が今、日本で起こっています。」 映像は古い映画を編集したもので、動き出した死体に囲まれた 一軒家での人間ドラマだ。総理自体はこの映画を昔見た事があり、 映画の中のゾンビがどういう物なのかも知っていた。 「これがどうかしたのかね?」 総理と呼ばれる白髪混じりの男は、何も映ってないモニターを 睨みながら、緑色の服を身に纏った男に問いかけた。聞くと この映画は米国のとある町で実際に起こった現象が元になっていると言う。 「米国は、日本国土の爆撃も辞さないと言っています。」 死体が動き出すこの現象は極東アジア地域で起こっており、米国はこの 原因不明の現象が飛び火するのを恐れ、日本を空爆する準備をしていた。 「自衛隊の出動を。」 緑色の服を着た男はハッキリと言ったが、総理は黙ったままだ。既に 経済への影響は物凄い。株価は大幅に下落している。ここで自衛隊を出せば もう日本の信用は失われるだろう。それに市民に銃口を向けるなと、野党や与党の 中からも自衛隊の動員には反対の声が多数だ。 「最終報告です」 ノックの後に、黒いスーツを着た男がぶ厚い書類を抱えて入ってきた。 「診断の最終結果を報告します。生死の判定ですが、既に生物としての機能は 停止しています。ですが・・・動いている以上、死んでいると決定する事はできません。」 「・・・それだけか?」 「以上です。」 総理は長いため息をついた。完全に死んでいるという結果さえ出れば自衛隊を出動させる つもりだった。米国の空爆はなんとしてでも避けたい。日本を焦土にする訳にはいかない。 警察で何とかならないだろうか?発砲許可は出した。無理か・・・? 総理はアゴの前で両手を組み、黙り込んだ・・・。 金田と洋子は運転手の後頭部を眺めていた。 「さっきはどうもっす。助かりました。」 運転手は鏡越しに二人を見る。 「ええよ。ええよ。お客さんだし。あ、そうそう、タバコ持ってない?」 金田はタバコを一箱渡し、自分もタバコに火をつけた。運転手の名前は鹿瀬島洋介といい、 元は大手証券会社のサラリーマンだったらしい。この不況でリストラにあった挙句、奥さんは 他の男とくっついて、子供と一緒に日本のどこかに居るという。何でも出来高制のタクシーは 普通じゃない日が稼ぎ時らしい。 「ま、本当はこうなったら金なんかどうでもいいんだけどね。この車で行ける所まで行くつもりだよ。」 さすがにタクシーの運転手だ。ゾンビの集団がいると思うと物凄い速さでバックし、小さな道でも するりと抜ける。金田と洋子は少し安心した。車の中は普段の生活となんら変わりは無い。車外は 気味悪い人影がちらほらあるのだが。どこか安全な場所はあるのか?外部との接触がないような。 離島とか、フェリーとか… 「刑務所・・・。」 金田がつぶやいた。 「そういえば、刑務所ってどう?あそこ、入れてくれないかな。」 そうか、刑務所か。刑務所なら高い壁に囲まれて、外部との接触はほとんどない。 刑務所へ行こう―――。刑務所に入るのは変な気分だが。 ここらの刑務所ならあそこだろうと、嘉瀬島は車を走らせた。 1時間ほど経っただろうか。車の中でついウトウトとなっていた洋子の耳に知らない声が 聞こえてきた。目を開けると金田が前のめりになってラジオを聴いている。 「この放送を聞いている方。 何人いらっしゃるのかはわかりませんが、放送を始めます。 今、日本中で起こっている騒動に、米国が動き出したようです。 米国が行おうとしていることは、・・・爆撃機による空爆です。 ・・・私はただ、この事を出来るだけ多くの方に知ってもらいたい。 どうしていいのかはわかりません。ただ、・・・耐えてください。 生きてください。空爆が終われば―――。」 放送はそこでぷっつりと途絶えた。金田も嘉瀬島も黙ったままだ。 「やったじゃん。米国がやってくれるって?」 洋子はちょっと嬉しそうだ。金田はつぶやいた。 「さあね。」 ―――――暗闇の中に突然現れた高い壁。これが金田達の避難所である刑務所だ。 なるほど、ここなら大丈夫そうだ。金田は壁のてっぺんを眺めた。 妙に騒がしい。もしかしてここは本当の避難所に指定されてたのか? 「変だね。何か変だ。」 車は出入り口らしき所に止まった。ゾンビの姿は見当たらない。 嘉瀬島が車を出ようとすると、俺が行きますと、金田が外に出た。 辺りはとても静かだ。入り口の前には誰も見当たらないが、なぜか入り口とは ずれた所に一応バリケードらしき物がある。でもあんな所に作って意味があるのだろうか。 小さな入り口の前に立ち、呼び鈴を鳴らした。 誰も出ない。普通、刑務官がいるんじゃないか?なんで返事がないのだろう? ガサッ… バリケードの方の暗闇の中から音が聞こえ暗闇の中から男が現れた。金田は身構えた。 様子を見ていた嘉瀬島も駆けつける。 「助けてください…」 ゾンビじゃない。よく見ると刑務官らしき制服を着ている。なんで?どうしてここに? しかも酷い怪我じゃないか。何があったんだろう。 「何があったんですか?」 嘉瀬島が聞くと、男は語りだした。まとめると ① 受刑者の暴力団組員と繋がっていた刑務官が、騒ぎの中で部屋の鍵を開けてしまった。 ② それが元になり受刑者が暴動を起こし、刑務所の中は無法地帯になった。 ③ 多くの受刑者が刑務所外へ出たが、動く死体の存在を知り、出るに出られない状態。 ④ この刑務官は受刑者達に殺されそうになったが、間一髪で刑務所を脱出した。 といった感じだ。脱出した刑務官が目にしたものは付近をうろつく不気味な人々だった。 逃げるに逃げられずに、付近にあった物で即席で作ったバリケードの中に、息を潜めて隠れていたという。 刑務官は片目がどす黒く腫れ上がっていて、嘘では無さそうだ。 「まるでパンダみたいっすね。」 金田がおどけて言うと、三人は苦笑いをした。刑務所はもうだめだ。 「僕らも、何処へ逃げるかわからないけど、それでよければ…」 「キャアァァァァァアアア!!」 突然、洋子の悲鳴が辺りを引き裂いた。振り返ると一人のゾンビが、窓から洋子を覗き込んでいる。 いち早く走り出したのは刑務官だ。刑務官は腰の警棒を走りながら抜くと、ゾンビの頭に叩き込んだ。 さすがは刑務官。機敏な動きだ。すばらしい。 「宜しくお願いします。」 3人は車に乗り込んだ。 さて、何処へ行こうか。車はあても無く走っていた。 「そういえば、名前なんていうんっすか?」 刑務官の名前は野上というらしい。故郷は福岡で、転勤に次ぐ転勤でここに流れ着いた。 刑務官という仕事は、受刑者にスキを見せないようにいつも気を張っていなければならない。 受刑者と仲良くならない為に転勤も多い。 「ゾンビも人間も同じだよ。残酷な奴は残酷だ。」 なるほど、言われてみればそうかもしれない。人間の方が残酷な時もある。 次々にニュースに出る殺人。どんな大きな事件も半月もすれば風化されて…。 一年前に起こった大事件は何があっただろうか?全く思い出せない。 この事態も一年もすれば忘れるのだろうか?今回は早く忘れて普通の生活に戻りたいが。 「ええと。ガスが切れそうです。ごめんなさい。」 嘉瀬島がとんでもない事を言った。マジで?金田と洋子は顔を見合わせた。助手席の野上も メーターを覗き込んでいる。燃料の残量は微妙だ。ガソリン車では無いタクシー。 利用車が少ないガスならスタンドに残っているだろう。 「この先に町がある。スタンドもあったと思う。」 町か…。居るだろうな。四人は違う方向を考えてみたが、やっぱり他に道はない。 途中、洋子がトイレに行きたいと言い出し、暗闇に消えていった。 ボディガードは要らないかと聞くと、顔を真っ赤にしていた。 しかし長い。もう10分もたった。まさか…3人は最悪の状況を想像していた。 助けに行ったほうがいいのか?だが悲鳴も無かった。消えた?まさか死んだ? だとすればここら辺りにも来るかもしれない。大勢だったらやばい。ガスも切れる寸前だ。 武器は警棒と消火器しかない…。死んでないとすればそれは… 3人が話し合っていると、ひょっこり洋子は戻ってきた。かなりすました顔だ。 「うんこ?」 「デカイ方?」 「大便なら、先に言ってくれよ。」 男衆が同時に言うと、洋子は顔を真っ赤にして否定する。ああ、うんこだったな。 しかし、デリカシーのない男共だ。まるで小学生。 段々町が見えてくる。だが、町の光はほとんど無く、街灯だけがぼんやりと見える。 かなり大きな街なのだが人影は無く、ゾンビの姿さえ見当たらない。まさにゴーストタウンだ。 遠くに背の高いスタンドの看板が見え始め、車はゆっくりと進んだ。 「あれ見て!」 洋子が指差す先に、商店街の入り口らしきものがあるのだが、物凄い数の自転車が とめてある。実際はとめてあるのではなく、積み上げられていた。バリケードとして。 「人がいるのだろうか。」 金田達はゆっくりと商店街に向かった。入り口周辺には多くの死体が横たわっていた。 だが、動いてはいない。全ての死体には頭部に何らかの傷がある。つまり、これは生きている人が ゾンビを倒した跡だ。周辺にゾンビが居ない事を確認すると四人は車を降りた。 このバリケード、うまい事考えたものだ。良く見ると自転車には違法駐車注意のステッカーが 張ってある。それをうまく組み合わせて背丈ほどの高さまで積み上げていた。 この壁の向こうには誰かがいるのだろう。暗くてよく見えないが、アーケードに共鳴して かすかに人の声がする。確実に人がいる。 嘉瀬島は目的も無く車で移動するより、ここのほうが安全そうだと思った。他の3人も同じ事を考えているようだ。なんとかここに入れてもらえないだろうか。 「ブンッ」 風を切る音が聞こえたかと思うと、金田の目の前を何かが物凄い勢いで上から下へ行った。 金田の顔にゆるい風が吹きかかる。 「ああ、外した!」 目を凝らしてよく見ると何本もの長い棒がある。ゆらりゆらりと揺れる棒の内、一本が大きく揺れると ブンッと音を立てて再び金田の頭上に飛んできた。金田は持っていたヘルメットで間一髪防いだ。 バキリと音がし、見るとヘルメットには釘抜きの先が突き刺さっている。釘抜きは長い棒の先に 結び付けられていた。洋子たちはまだよく解っていないようだ。 ―――俺たち間違われている。 「だあああ!違う違う!俺たち生きてるよ!」 金田が必死に叫ぶと、何事かと3人は金田を振り返った。 「あれ…、おーい!生きとるぞ!生きとる人間や!」 暗闇の中から声が聞こえると松明に火がともり、5~6人程の顔が浮かび上がった。 「ごめん。アレかと思った。自転車よじ登ってこっちへ入り。」 人間に殺されるところだった。金田は内心イラついたが、安全な場所に入れる安堵感もあった。 とにかく、避難場所を確保できたようだ。四人は自転車をよじ登り商店街へ足を踏み入れた。
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「ん・・・くぅ」 瑠璃ちゃんは僕の顔の上にまたがり、いつものようにあそこを舐めさせている。もう3人とも 衣服は一枚もつけてなかった。激しく反り返ったペニスは真由美姉さんの口の中で今にも爆発 しそうだ。 「くぅ・・・でる」 真由美姉さんは寸前で愛撫を止める。 「ふぅ・・・」 迫っていた射精感が遠のいていく。僕は完全にタイミングを見切られていた。 「そろそろいくわよ」 真由美姉さんはあそこを指で開く。べっとりと愛液で濡れたあそこがぬらぬらと てかっている。姉さんはもう片方の指で僕のペニスを導くと、ゆっくりと腰を 腰をおろしていった。真由美姉さんのあそこはかなり狭く、きゅうきゅうと僕を締め付けてくる。 「うう。もうだめ」 僕はあっさりと射精してしまう。どくどくと精液が真由美姉さんの中に流れ込んでいく。 「だめ、まだだめえ」 真由美姉さんは身体を上下に激しくゆする。精液と愛液のミックスが結合部分から溢れてくる。 一度はなったにも関わらず、僕のペニスは全く勢いが衰えない。 「んん。んんんぅ」 瑠璃ちゃんも絶頂が近いようだ。僕は瑠璃ちゃんのおしっこ攻撃に備える。いつのまにか瑠璃 ちゃんのおしっこを飲み干すのが快感になってしまっていた。 「ああ、お姉ちゃああん」 瑠璃ちゃんはひときわ大きな声をあげた。いつもは回りのゾンビに気づかれないように声を抑え ていたのだが、僕が自衛隊が周辺を掃討したのだろうという言葉に安心してか、今夜は姉妹とも まったく声を抑えていない。 「瑠璃・・・瑠璃ぃぃ」 真由美姉さんも負けじと妹の名を呼ぶ。 その瞬間、 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 叫び声とともに、僕らの部屋の上から天井をぶち抜き全裸のゾンビが降ってきた。 大量のエロ本やエロゲーやエロアニメやその他のエログッズとともに。 こいつは・・・尚也じゃないか。 「おい、尚也。俺だよ。わからないか」 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 尚也ゾンビはうなり声とともに、真由美姉さんを弾き飛ばした。凄い力だ。壁に頭をぶつけた 真由美姉さんは気を失った。ゾンビのどこにこんな力があったのだろう。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 尚也ゾンビは僕の顔の上で動けないで固まっている瑠璃ちゃんをつかんで、そのまま押し倒した。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 瑠璃ちゃんの股間に顔をうずめるとびちゃびちゃと音を立てて激しく舐めはじめた。 「くそっ。おい尚也。やめろ。やめるんだ」 僕は瑠璃ちゃんのあそこにむしゃぶりついている尚也ゾンビを引き剥がそうとした。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 こっちを振り向いた尚也ゾンビは、僕をどんっと突き飛ばす。 「うわっ」 僕も真由美姉さんと同じように吹き飛ばされ頭をぶつけてしまう。 だめだ・・・気が・・・遠くなる・・・ 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 尚也ゾンビは邪魔者がいなくなったので、再び瑠璃ちゃんのあそこを愛撫しはじめた。 「いやぁぁぁぁぁ」 瑠璃ちゃんはぽかぽかと尚也ゾンビの頭を殴りつけるが、無論そんなことではびくともしない。 「あ・あ・あ」 瑠璃ちゃんは恐怖のあまり失禁してしまう。尚也ゾンビはうれしそうにじゅるじゅると おしっこを飲み干す。 「いやぁぁぁぁ。助けて。お姉ちゃん。お兄ちゃああん」 おしっこを飲み干したゾンビは桜色の可愛い乳首に舌をはわす。尚也ゾンビの口の中で瑠璃ちゃんの サクランボがもてあそばれる。瑠璃ちゃんは恐怖のあまり身体が硬直してしまったようだ。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 乳首で充分楽しんだ尚也ゾンビは、瑠璃ちゃんの唇をうばおうとずるずると身体を寄せてくる。 尚也ゾンビが口をあーんとあけると腐った肉の臭いがつーんと瑠璃ちゃんの鼻を突いた。 「ひ・・・ひぃぃぃ」 必死に逃げようと後ずさる瑠璃ちゃんだが、すぐに壁につかえてしまう。 尚也ゾンビの身体に巣くっていた小さいゴキブリどもが現れて、ぞわぞわと瑠璃ちゃんの身体を這い 回る。ゴキブリは水分に飢えていたのか瑠璃ちゃんのあそこにへばりつき、おしっこと愛液をちろ ちろと舐めている。やがてゴキブリは瑠璃ちゃんのあそこの中処女膜の隙間からするすると 入っていってしまった。そして尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの顔を片手で押さえつけると、 ぶちゅうっと瑠璃ちゃんの唇をうばった。尚也ゾンビの干からびた舌が瑠璃ちゃんのみずみずしい 唇をべろべろと舐めている。瑠璃ちゃんは唇をぎゅうっと閉じてせめて舌の侵入を防ごうと健気な 努力をしていた。尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの鼻をもう片方の手でつまんだ。息ができなくなった 瑠璃ちゃんは、やむなく息継ぎのために唇をちょっとだけ開いた。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 一瞬の隙も逃さぬ尚也ゾンビはすかさず瑠璃ちゃんの口の中に舌を侵入させた。 ぴちゃ、ぴちゃ、といやらしい音が部屋に響く。瑠璃ちゃんはもう抵抗できなくなっていた。 ひとしきり中学生の身体を堪能した尚也ゾンビは、干からびてはいるがしっかりと怒張した股間 の一物を瑠璃ちゃんに見せつける。 「いや・・・あ・・・や・・・。まだお兄ちゃんにもさせたことないのに・・・」 瑠璃ちゃんは両足を閉じて必死に処女を守ろうとする。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの足をつかむとがばっと開かせる。 「や・・・ひぎゃああああああああ」 尚也ゾンビは一気に貫いた。真紅の液体が瑠璃ちゃんと尚也ゾンビの結合部から垂れてくる。 瑠璃ちゃんのあそこに侵入していたゴキブリは瑠璃ちゃんの膣壁と尚也ゾンビのペニスとで すりつぶされていた。すりつぶされたゴキブリは膣壁とじゃりじゃりとこすれあって瑠璃ちゃん に痛みと快感を与える。 「ひぎゃあああ。助けてええええ」 自分の欲望を満たすためだけに激しいピストンを繰り返す尚也ゾンビ。裂ける寸前の瑠璃ちゃん のあそこが痛々しい。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 ついに尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの膣に射精した。冷たい精液が瑠璃ちゃんの子宮にびちゃびちゃと たたきつけられる。 「う・・・ひい・・・」 尚也ゾンビはしばらく射精の余韻に浸っていたが、再び瑠璃ちゃんの上で ずんずんと腰を送りはじめる。死んでるくせにとんでもない回復力だ。 「も・・・やだ・・・」 何度射精されたのだろうか。既に瑠璃ちゃんの子宮は尚也ゾンビの精液でぱんぱんに膨れ上がって いる。白目をむいて放心している瑠璃ちゃん。尚也ゾンビが動くたびに瑠璃ちゃんの下腹部がぼこ っぼこっと動き、子宮に入りきれない精液と破瓜の血が交じり合って流れ出す。普段は死肉しか食 らわない気味の悪い蟲どもも、おもわぬ御馳走に大喜びで、溢れこぼれ出す精液と血液の混合をすす っていた。そんな尚也ゾンビの精力には限りがないように思われたが、とうとう限界が来たようだ。 尚也ゾンビの動きがこれまでになかったほど激しくなる。子宮も壊れよとばかりに瑠璃ちゃんの 小さい体を突き上げる。ぶちっという音がすると限界まで広げられていた瑠璃ちゃんの膣がとうとう 裂けてしまう。吹き出た鮮血がペニスにまとわりつくが、尚也ゾンビはそんなことなど意にも介さない。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ」 最後にひときわ大きい叫び声をあげると、尚也ゾンビは思い切り大きく瑠璃ちゃんを突き上げた。 これまでとは比べものにならない大量の精液が、奔流となって瑠璃ちゃんの子宮に向かう。だが、 瑠璃ちゃんの子宮は既に精液で一杯でこれ以上受け入れる余裕などまったくない。そのため、 結合部分からどくどくと精液があふれ出て来る。それを感じた尚也ゾンビはペニスを引き抜くと ぴゅるぴゅるとまったく射精の勢いを失わないペニスを握り立小便の用に瑠璃ちゃんの全身にか けていった。こぼれた蜜を啜っていた蟲どもは、ペニスが抜けたあそこに入り込もうとむらがる。 競争に勝ち抜いた何匹かの蟲はずるりと瑠璃ちゃんのあそこの中に入っっていく。 入り損ねた蟲は、瑠璃ちゃんのおなかに、乳房に、顔に、全身のあらゆるところに張り付き白濁を啜りはじめる。 放心した瑠璃ちゃんの口の中に入り込む蟲すらいたが、 瑠璃ちゃんはもはやそれを気にも留めていない。 征服感を満たした尚也ゾンビは、干からび腐った顔ににんまりとした笑みを浮かべた。 僕が意識を取り戻したとき、尚也ゾンビは僕を見下ろしているところだった。こいつ、僕が意識を取り戻すのを 待っていて・・・それから食べるつもりなのか・・・ 「な、尚也。僕だよ」 逃げようにも頭がふらふらして動けない。やむなく説得に入る僕。あの母親ゾンビが姉妹を食べなかったんだか ら、こいつも僕のことに気づけばもしかしたら・・・でも、尚也ゾンビはにやにや笑ったままだ。 人差し指を口の前にもっていくとチッチッチと指を振る。こいつ・・・僕が分からないのか。 「ま、待ってくれ、尚也。僕だよ。大学の時の友人の○○だよ。食わないでくれ。昔、飯もおごってあげたし、 エロビデオもエロゲーもたくさんコピーさせてやったじゃないか」 だめだ、全然効果が無い。 「尚也、思い出せよ。あの亀頭の先端をなでなでしこしことかいうアニメの女の子のフィギュアに金を 使い切った時、金を貸してやったじゃないか。今度は僕を助けてくれえ」 尚也ゾンビの動きがぴたっと止まる。よし、いけるぞ。あのアニメの女の子には尚也はずいぶんご執心だったか らな。僕のことも一緒に思い出したんだろう。やはりこの話を出したのは良かったな。ほっと一息つく僕。 でも・・・どうしたんだろう。尚也ゾンビの様子が妙だ。こみ上げる怒りをこらえるかのようにぶるぶる震えて・・・・ 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」 尚也ゾンビは突然ぶち切れた。一体どうしたんだ。何かまずいことでもいったのか。 「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲバカニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイスルナァァァァァァァァァァァ」
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宇宙線の影響か、はたまた地獄が死者であふれ返ったのか・・・。 地球上に「奴ら」が現れ始めて既に3ヶ月が経とうとしていた。地上は悲惨な状況の ようだ。俺達のいるシェルターの屋外カメラには腐乱して徘徊する元住民達の姿が 映し出されている。まともな奴はもう誰一人いないようだ。オレ達はここを出るつもり はない。食料も十分にある。所詮奴らは屍骸にしか過ぎない。あと1年もすれば腐敗が 進んで歩き回ることすらできなくなる筈だ。オレ達はその時をじっくりと気長に待つ つもりでいた。 しかし、事はそううまく運ばない。咲っぺが高熱を出して倒れた。 ガモウ君に聞くと逃走の際に追ったケガから破傷風に感染した疑いがあるとのことだ。 オレと大友と西さんの3人は町の地図から病院を探し出し、そこへ向かう事となった。 目的地に向かうにはシェルターの換気ダクトからホームセンターの裏手に出て、駐車場 からホームセンターへ入り、そこから隣接する工場地帯、そして病院という経路が一番 安全かに思われた。出発しようとした時、ユウちゃんが三輪車をこぎながら寄って 来た。「お兄ちゃん!ユウちゃんも行く!!」「だめだ!ユウちゃんはガモウ君と咲っぺ と一緒にいるんだ!!」「いやだ!ユウちゃんも行く!」仕方がない。連れていく事に した。「高松くん、急ぎましょう!」西さんに呼ばれオレは換気ダクトに入り込んだ。 ホームセンターは静まり返っていた。どうやら元住民達はここまで入って来ていない。 隣に立っていた西さんが「わっ」と泣き始めた。色とりどりの商品、かすかに残る 日常の匂い。自分の置かれた状況を思い出し、感極まってしまった様だ。「西さん、 泣かないで」オレが慰めていると大友が怒鳴った「さあ!グズグズしてないでさっさ と立ったらどうなんだ!病人のことを考えろ!」何もそんなに怒らなくても。しかし 西さんは「ごめんなさい大友さん!私もう存分に泣いたから、もう大丈夫!」 ふと見るとユウちゃんの姿が見当たらない。「ユウちゃーん」一階を探したがいない。 突然、ゴウーンという重い機械音が響き渡った。入り口のシャッターが開放された音。 ドっと入り口から元住民達が雪崩れこんで来た。「うわー!!」オレ達3人が逃げ出そうと すると、館内放送が流れ始めた。「貴様らー!どこから入って来た!!このホームセンター にあるものは全部オレのものだ!お前らはそこでゾンビに食われてろ!!!」 関谷の声だった。オレ達が通っていた大和小学校の「給食のおじさん」。 「お前らと一緒に来たガキはオレが預かってるぞ!!こいつはオレがペットに するんだ!わかったらとっとと出てけー!!」 とりあえず2階のスタッフ・ルームに逃げ込んだオレ達は次に取る行動について 話し合った。「ユウちゃんを関谷から取り返しに行こう!」オレがそう言うと 大友が怒りだした。「バカ!咲っぺはどうなるんだ!!一刻の猶予もないんだぞ!」 確かにそうだった。倒れてからもうかなりの日時が経っている。一刻も早くペニシリン を入手しなければ。「でも、ユウちゃんを放っておけないわ!!」どうするべきか 関谷はすぐにはユウちゃんを殺さないだろう。でも・・・。「よし!じゃあオレが一人で 病院へ行ってくる!!お前らはユウちゃんを助けにいけばいいだろ!」大友はそう叫ぶと スタッフ・ルームを飛び出した。「高松!死ぬなよ!!」「お、大友・・・。お、お前も だぞ!死ぬな!」やがて大友は駆け下りる音と共に階下に消えた。 2階は日曜大工のコーナーとなっており、武器に使えそうな刃物や鈍器の類が豊富 にあった。オレは以前、映画「リーサル・ウェポン」でダニー・クローバーが使った ガスで釘を飛ばす工具がないか探したが、どうやら無い様だった。「高松さん、これは どうかしら?」西さんが手に持っていたのは滑車だった。チェーンの先に拳くらいの 大きさの滑車が付いてる。「うん、これいい」いくつか武器を持つと、館内見取り図で 放送室がありそうな場所を探した。「多分、ここ」西さんが指を指したのは5階の一角。 彼女はたまに不思議な直感が働く時がある。「よし、行ってみよう」オレ達は階段を 登り5階へと向かった。 5階はガーデニング用品が陳列されていた。中央に噴水があり、濁った水を吐き出してる。 少しの間手入れしないとこんなになってしまうものか。いや、よく考えれば浄水場だってもう 稼動していないわけだ。足音を殺して、問題の部屋に近づいた。そこには「放送室」と 書かれている。中から話し声が聴こえる。「いるね」小声で確認し合う。ドアは一つしかない。 オレ達は強行突入することにした。ドーン!! 部屋に押し入ると、そこには誰もいなかった。ただ、TVがついていて、何かの 放送をしていた。「あ!!TVがやってる!!」西さんが走り寄っていった。 画面には「緊急放送準備中」というテロップがでており、スタジオの中を 忙しそうに走り回っている人々が映しだされている。「あ、人よ!人よ!」 西さんは興奮のあまりTVを掴んで揺らしだした。「西さんやめろ!TVが壊れる!」 プツンッという音と共にTVは消えた。「あー!ほら消えちゃったじゃないか!」 「わーっ!」西さんはまた泣き始めた。しかし、関谷とユウちゃんはどこに消えた んだろう。そういえば、さっき関谷はオレ達が侵入したことに気づいていた。 もしかして、と思い、部屋を見回すとあった。監視モニターだ。 監視モニターを次々と切り替え、館内の様子を映しだす。1、2階はすでに元住民達で 溢れ返っていた。「ユウちゃん、無事でいてくれ・・・」2階の様子をしばらく見ていると 画面に関谷が映った。「あ!関谷!」関谷はローラー付きの荷台に縛ったユウちゃんを 乗せ、鉄の棒で荷台を叩いて音を出しながら元住民達をおびき寄せてる。「あいつ! 何するつもりだ!!」オレ達は武器を手に階段を駆け下りた。 3階まで来ると、2階から上がってくる関谷の叫び声が聞こえた。「こっちだ!こっちだ! こっちにうまい餌があるぞー!」「うわーん!お兄ちゃーん!!」ユウちゃんが泣いている。 オレ達は先に3階の陳列棚の後ろに隠れ、関谷が来るのを待った。「よーし!いいぞいいぞ! お前ら全員こっちに来い!」関谷は3階まで来ると、ユウちゃんを引っ張って、一気に奥の 出入り口のところまで移動した。「ここだー!餌はここにあるぞー!!全員入ってこい」 オレは関谷が何をしようとしているのか、ようやくわかった。奴はユウちゃんを囮にして、 1度招き入れた元住民達を3階におびき寄せ、封鎖して閉じ込めようとしてるのだ。 奴がここを封鎖してしまったら、お終いだ。「よし!西さん戦おう!」「うん!」 オレ達は関谷めがけて飛び出した。「わ!何だお前らは!」関谷は包丁を振り上げたが 西さんが選んでくれた武器が効力を発揮した。奴の間合いに入る前にオレの振った滑車 が奴の頭を割った。「ぐわー!!」 関谷は頭をおさえて倒れこんだ。「よし、西さんユウちゃんの縄をほどいて やってくれ!」ユウちゃんを自由にすると、オレ達は関谷をおいて奥の出口に 向かった。「待って!」西さんがシャッターのボタンを押した。後ろを見ると、 元住民達がちょうど3階に入りきったところだった。「閉じ込めてやりましょう!」 ゴーン!という音と共にシャッターが閉じた。オレ達は出口から出て、外にあった ボタンを押した。ゴゴゴゴ。閉じゆくシャッター。倒れている関谷が叫んだ。 「やめてくれー!閉じ込めないでくれ!お願いします!助けて!!」関谷に元住民達が 襲い掛かるところが見えた。ゴーン!!シャッターが閉じ、向こう側から関谷の 断末魔の悲鳴が聞こえた。西さんはユウちゃんの耳をふさいでいる。 ホームセンターを出て工場地帯に向かうと、向こうから人が来る。「あ!大友さんよ!」 遠くだったが、確かに大友だ。手に何か持っている。「ホントだ!大友だ!薬を持っている ようだぞ!おーい!」オレ達は嬉々として駆け寄った。 確かに大友だった。しかし、もはや大友ではない様だった。首が付け根のところで 取れかけている。「大友・・・」フラフラと歩き、こっちに寄ってくる。オレ達を餌だと 思っているようだ。「大友さん・・・」西さんがペタンと座りこんでしまった。 大友の手にはしっかりと薬が握られている。「一緒に行けば良かった・・・。ごめん!」 オレは滑車を大友の顔面に叩きつけた。大友の首が取れ、道を転がった。 シェルターに戻り、薬を投与すると咲っぺは数日の内に回復した。 そしてまた、奴らがいなくなるのを待ちつづける日々が始まった。 しかし思ったよりも早くその日は来た。「奴ら」に天敵が現れたのだ。 ゴキブリ。しかもとびきり巨大な。数日間の内にゴキブリ達は「奴ら」を 食い尽くしてしまった。元住民はもういない。でも、オレ達はシェルター を出られない。しかも今回はいつまで経っても出られそうにない。 オレ達はこれからどうなるのだろう。
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『ここは地獄か?』 某所 PM 2:40 ヘルメットのスモークシールド越しに町を徘徊するゾンビを見て思わず呟いた 優しかった母も厳しかった父もかわいい妹も愛した女性も心を許しあった親友も 皆 歩く屍と化していた あの日 次々と変貌していく人々を 躊躇なく襲いかかってくる元恋人を 近くのバイク用品店から調達したハンマーグローブでなぎ倒しながら・・・ ただ必死だった 本来 高速走行中に転倒した際 拳を護る為の装備だが厚い皮にリベット打ちされたセラミックは ゾンビ共の頭を粉砕するには十分な威力と防御力を発揮した またバトルスーツと呼ばれるバイク用のプロテクターは少々の返り血や噛み付きから完璧に俺の身を護ってくれる あれから何日が過ぎたのか? 気がついたらここにいた すでに町は抵抗していた人間の悲鳴も怒声もなく 時折聞こえるゾンビの呻きと魔物の鳴き声のような風切音だけだ 昼間には外国の物と思われるヘリコプターも見かけたが俺の存在に気付かなかったようだ いや 気付いていたのか? ・・・まぁいい とにかくここから救い出してくれる事は無いようだ かつてその栄華を誇り眠らなかった高層ビル群も今や主を失いまるで墓標のようだ 『よっと』 今では狩りにも慣れた俺はため息まじりに勢い良くサイドスタンドを蹴り上げる VMAX・・ この無機質な鉄の塊が俺の相棒だ 平和な頃はバイクなんて興味もなかった むしろただ喧しいだけで嫌いだった筈なのに 今の俺はこいつに全幅の信頼を置いている V型4気筒1200ccの強心臓は145馬力を発しその巨体は俺の体ごと一瞬で超高速の域まで加速させる これが俺の得意技だ ゾンビの集団めがけ一気に加速しすれ違い様に強烈なハンマーパンチを繰り出す 相棒はVブースト全開時に悲しみの咆哮をあげ俺の耳を劈く 第一撃で2体のゾンビを沈め フロントを軸に今度は180度回転 強力なブレーキによりフルボトムしたFフォークにFタイヤは悲鳴を上げ後輪が僅かに宙に舞う 俺は繊細なブレーキリリースによりグリップを復活させたRタイヤにパワーを伝える アスファルトにブラックマークを残しつつ次の獲物に照準を合わせ第二撃を加える 遭遇するゾンビは尽く全滅させてきた それが生き残ってしまった俺にできる死者への餞 生への執着も薄らぎただ無意識に放浪し目に入るゾンビは全滅させる ただそれだけだ 昨日までは・・・ 俺は親になる決心をしたんだ。 小汚い二つの影に出会った 崩壊したビルの一角に寄り添い怯えた目をした2人の子供だった 兄らしい子供は俺に幼いが決意に満ちた鋭い眼差しを向けていた 妹らしき子供は小刻みに震え兄の背中にしがみ付いていた 必死で妹を護っていたのだろう 特に兄のであろう子供の服はボロボロだ 擦り傷まみれだが致命的な傷はないようだった 『よう 生きてるか?』 我ながらまぬけな第一声だ 必死で笑顔を作ってみた ただ顔が引きつっただけだったろうが・・・ あまりの必死さが伝わったのだろうか? 少しは警戒を解いてくれたようだった どうやら親も友達もいないらしい 俺と同じだ ちょっと前に通りすがったコンビニから発掘した板チョコを渡し相棒に寄りかけ地面に腰をおろす
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「もう一回言えよ」 殴りかかってきそうな勢いで幸一が言った。 「ゾンビなんかいない」 俺は静かに答えた。 「馬鹿か?」 冷静を保っている慎介が俺の肩を掴む。 「それじゃあ、何だ? 俺たちは今何から逃げてるんだ?」 「病人さ」 俺は慎介の手を振り払う。 「お前達は馬鹿な映画を見過ぎなんだよ。ゾンビ? 名前を付けるのはいいさ。そういう病名でいいさ」 俺は背後を顎で示す。眼下に広がる街。俺たちがいるのは、とっくに無人になっているホームセンターの三階だ。 「銃で撃たれても頭を吹き飛ばさない限り死なない? 噛まれたら噛まれたヤツもゾンビになる? あり得んな」 いきりたつ幸一を押さえる慎介。慎介はまだ冷静だ。話をするとすればこいつしかいない。 幸一では話にならない。ただ、粗暴なだけだ。 「続けろよ。明」 幸一を押さえたまま、慎介は言葉を続ける。 「ゾンビでなければ、あいつらは一体何なんだ」 「だから言ったろ? 病人だよ」 「どんな病気だよ」 「知らないね」 幸一の様子を見て俺は急いで付け加えた。 「だが、ゾンビよりはマシな仮説だ」 「どこがだよ・・・」 幸一は必死に自分を押さえようとしている。暴発よりよほど危険な徴候だ。 「考えてみろよ。お前達の言うゾンビのような条件を満たした生命体が実際にいると思うか? ゾンビのように見えるのはあり得るだろう。だが、ゾンビのようになるのはあり得ない。この世には科学法則ってもんがある」 「自分の目で見たことぐらい信用したらどうなんだ」 これが多分、幸一を説得する最後の機会だろう。俺はゆっくりと息を吐いて言葉を選ぶ。 「何を見たんだ? ゾンビに食われている人間を見たのか? 銃で撃たれても平気なゾンビを見たのか?」 見ていない。確かに見ていない。俺たちが見たのは、野犬か何かに食われた後らしい無惨な死体と、怪我をしたまま歩いているゾンビ(と呼ばれる者)だけだ。 「ゾンビが俺たちを食うなんて、無責任なマスコミのデマだ。生きている人間が食われているなんて嘘だ。これは、ただの集団感染によるパニックだ。俺たちは、地下の実験室に籠もっている内に置き去りにされただけだ」 「証拠があるのかよ!」 「証拠は科学法則だ。ゾンビなんて生命体はあり得ない」 慎介が幸一に何事か囁いている。 多分、落ち着かせているんだろう。慎介はいつでも冷静だ。 幸一だけに説得を続けたのは正解だった。慎介はきちんとわかってくれている。 「しかし、不安は残るよ」 慎介は頷きながら言う。 そうだ。幸一を落ち着かせるためには性急な結論はまずいかも知れない。 「できれば、あいつらがゾンビじゃないという証拠が欲しい。それも、一見でわかりやすいヤツが」 俺は頷き返した。 「任せてくれ。俺に考えがある」 俺は二階の窓から縄ばしごを下ろす。階段は全て防火壁で幸一が封鎖してしまったのだ。まったく、過剰反応もいいところだ。 たしかに、病気のために理性を失った暴徒から身を護る役には立ってくれた。だが、どう見ても幸一は過剰防衛だ。この件が片づいたら、匿名で当局に通報しなきゃならないだろう。 三階の窓から俺を見下ろしている幸一と慎介。 「いいな。俺が食われなきゃ、俺が正しいんだからな」 「わかってるよ、明。気を付けろよ」 慎介はやはり冷静だ。俺は足下に十分注意してハシゴを下りた。 ゾンビ(と幸一が呼んでいる)者たちは俺に気付くと近寄ってくる。 こちらから何もしなければいい。確かに不気味だ。不気味だが危害を加えられる心配はない。 ただの病人だ。怖いとすればこの病気が接触感染である可能性か。しかし、今更そんなことは言ってられない。 俺たち三人は曲がりなりにも医者の卵だ。救える病人は救う。ゾンビなんて馬鹿げたことは信じない。子供だましじゃあるまいし。 痛い。 !?!? 俺の肩を誰か噛んでいる? 腹? 手が、手が・・・。 腹の中に・・・・胸が・・・ 嫌だ・・・嫌だ・・・ 助けて・・助けて・・ 食われる、食われてる・・・ 俺が・・・俺が・・ 俺が食われ・・・ ----終----
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「まずはホームセンターだな・・」 ヘルメットの中で呟きながらも周囲への注意は怠らなかった。 いくら奴らの動きがのろいとは言っても、急に物陰から飛び出されたらたまらない。 玄関先や車の横をすり抜けるときは特に用心した。 辺りにはケンタッキーフライドチキンを食べ散らかしたような肉片が散らばっていた 目的地もこのようになっていないと信じて・・ 建物が見えてくる、駐車場入り口に折り重なるように止めてある車が混乱初期のままであることは一目で分かった。 「あれじゃ脱出手だては無いな」 ホームセンターに立てこもることは悪くはない、むしろ望ましいことだと思う。 最近は、100円コーナーなどという物も併設され、日用品 果ては食料品まで揃っている、バリケードを築くための資材、工具、発電機、思いのままだ! しかし立てこもるのは、訓練された人たち? 指揮官に忠実な兵士? いいや違う、わがままで人任せ、人の意見にはとりあえず反抗し 逆に意見を求められるとキレる若者、変に常識ぶって味方を得ようとする偽善者。 仮に優れた指導者がいたとしても最後には内部分裂、精神の弱い人が自暴自棄になり 陥落するのではないか? 間近に建物の様子を見て、自論が正しかった事を再確認した。 きちんと防御されていたものの内部から壊した跡があり、そこから奴らが侵入したみたいである。 車で逃げようとしたのだろう、出口付近では何度も体当たりして道をあけようとした 車の周りに肉片、いや骸が転がっていた。 「こりゃ内部は悲惨だろうな」手持ちの武器?(笑)作動確認の後 内部に! 「ゲームSTART!」そう呟いて屋内に入る、そうリセットはないゲームだ。 中は異様なくらい静かだった、ヘルメットのバイザーをあけ五感を集中する。 視野に入る奴らは5体か・・・手元のカートを押しながらゆっくり近づく。 「とりあえず視覚を奪うか・・」手元の水鉄砲で目を狙って撃つ、一瞬目を押さえる ゾンビたち、痛みは無いのだろうが生前の癖は抜けないようだ。 この方法はすでに経験して有効だったから心配はしなかった、視覚を奪われた奴らに こちらを捕捉する手だてはない、歌でも歌えば別だが(笑) 呆然とその場に立ちすくむか、異音がすればそちらに歩いてゆく・・・ 手元の商品を入り口と反対側に投げてやる、カラカラカラン、、、と小さいがよく響く音だ、馬鹿ゾンビどもは音のする方向にゆらゆら歩いていく。 「んじゃ、お仕事お仕事♪」 カートに電池、ライターオイル、その他不足してきた物資を乗せてゆく、ただし警戒は怠らずひっそりと。 帰り道は簡単だった、車が通れるルートを確認しながらやってきたため、乗り捨ててある軽トラックに荷物を積んで帰るだけだった。 車のエンジン音でわらわら姿を現すゾンビだが、ルートさえ確かなら怖くはなかった。 「ただいま~♪」「お帰り!無事だったかい?」 自宅に帰ると、彼が待ちくたびれたような顔をして出迎えてくれた。 「とりあえずこれ!」ポケットから戦利品の調味料を投げて渡す 「サンキュー」左手でキャッチしながら彼は笑った。 ごつい体に似合わず料理好きで、備蓄食糧を上手に調理してくれていた。 こういう極限状態において食事は重要な意味をもつ、うまい物を食っていれば やはり思考もまとまるという訳だ。 「で、状況はどうだったんだ?」フライパンを片手に聞いてくる。 「ああ、食事しながら話すよ」プロテクターをはずしながら答えた。 「で、今後だけど・・」食事の後、彼は口を開いた「移動は延期かい?」 「ゾンビの頭かち割るのに抵抗がないか?」 「いいや、まだ解らない・・たぶんいけると思う」 「焦ることはないさ まだね・・」 今日の探索で、推論を裏付ける事が多々有ったのは有益だった。 それはこの地域においてはゾンビが減っているということ。 なぜか?行動形態を見ていて気がついたのだが、奴らは動く物に反応する すなわち一端襲われだすと、付近の奴らが気がついて続々とやってくる。 獲物が無くなればその場にとどまるのだが、たまたま移動好きなゾンビがいれば まさになんとかのネズミみたいにゾロゾロついてゆくのだ。 又、他にも我々のように立てこもっている人たちも結構居ると言うこと。 帰り道、車の音に反応するように窓の開閉があった、助けて欲しそうな顔を こちらに向けながら・・・ 叫べば奴らに気づかれるため無言だった、しかしいつまで持つか? 「やはりあの計画に移るべきか」自分自身に問いかけていた・・・。
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荒廃した街道で、動くものは数えるほどしか見当たらない。 まして自らの意志で動くものなど二人の人間、自分と日向しかいないだろう。 ……いや、違う。 ……自分の意思を持っているのは日向だけだ。俺はただ、死んではいないだけだ。 尚也は沸きあがる自己嫌悪を抑えず、そのまま放っておく。 少女は指示をどう捉えたのだろう。 こちらとゾンビの方を何度も交互に見やる。 手元のケースは渡してから一度も開けられていない。 この訓練にはいくつかの意味を持たせたつもりだった。 武器弾薬の確保。 生き残るためにはできる範囲で装備を整えなくてはならない。渡されたものが一体何のか自分で確認するのも当たり前だ。 情報収集。 質問は無しと言ったが、それと情報の収集は別だ。生存のためには異議を唱えて情報を引き出すべきだ。それをしないのなら周囲の状況から推量しなくてはいけない。 動く目標の処理。 訓練でも、障害物の間を動き、ランダムに出現する的を撃たせたが、それと実戦は別物だ。相手はこちらの思惑通りには動かない。反撃もしてくる。そして何より人型だ。 日向は初めて会った時に、生存の意思を敵対者の排除を選択することで示した。日向自身は考え付かなかっただろうが、あの時は車の中に逃げ込むという選択もありえた。 それもひとつの選択だ。むしろ柔軟な考え方といってもいい。素人の自分が銃を手にするよりも、慣れてるであろう相手に任せるほうが確実だからだ。 逃げることは恥ではない。無駄な戦闘を避け、効率よく危険を避ける。単に戦うよりもはるかに高度な判断力を要し、その分生存確率も高い。 重要なのは交戦と撤退のどちらを選択するかだ。 今、彼女はどちらを選択するだろうか。 有利なのは逃走だ。少女のゾンビが近づくまでまだ時間がある。十分に逃げ出せる。 さらに言えば日向はまだ銃を用意していない。 無論、今から即時銃を用意しながら距離をとり、その後に殲滅を行うという選択肢もある。それはそれで問題ない。今の自分と日向の関係ではそちらを選ぶのは当然だ。 偏った判断ではあるが、冷静な対応と技術を実証することになる。それに幼い姿をしている人型の存在を撃てるということは、今後生き延びていくのに重要となるだろう。 淡々と尚也は観察を続ける。無論、周囲の状況を窺いながらだ。車はすぐにエンジンをかけられる状況にしてあるし、周囲には遮蔽物や狙撃に適した場所は無い。 ようやく気づいたのか、幼い少女の姿をした伝染者はゆっくりと車のほうに向かって歩き始める。 近づくにつれて、その惨状が見て取れるようになる。 服のところどころを染める赤黒い染み。うつろな表情。汚れた手。そして下半身を申し訳程度に覆う布切れ。元はスカートだったのだろう。破れたそれが意味するのは明らかだ。 「ひどい。あんな小さな子なのに」 日向がつぶやく。 「最悪なのは立て篭もった場所内での階級の発生だ。人々の不満の矛先は例外なく身体の弱いものへと向けられる。特に女性は恐怖でおびえる獣にとっては餌食でしかなかった。 立て篭もった末に崩壊していったコミュニティーをいくつも見てきたが、大抵少女は、性欲のはけ口に利用された挙句、ゾンビの気をそらすために使われていた。 自分の身を守るために、娘を差し出す母親もいた。娘を一晩弄ばせて、母親は食料と寝床を得ていた。自暴自棄になり周囲の女性を犯し続けた奴もいた」 返す尚也の言葉はひどく凄惨なものだった。 平坦に台本を読むかのような調子だったが、日向はそれを咎めようとはしなかった。尚也は感情を揺さぶられるほど、表に出すまいとする。そのことに日向は気づいていた。 特に悲しみや憎しみ、怒りといった負の感情ほどその傾向が強い。 自分の前では感情を表してほしい。そう願う日向だった。 後書き 実際の話し、全国各地でばらばらの時期にゾンビが発生したとしたら 自衛隊が対応して終わりでしょうかね? いつどこで発生するかもしれないゾンビ禍。 治安は不安定になり、外国人による暴動の発生や重犯罪の増加。 首都圏が飲み込まれたら一気に状況が激化しそうですね。
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あたりは山間部とまでは言わないが、大小様々な山に囲まれていた。高速と並んで国道が伸びている。 俺は速度を緩めた。石田が食い入るように外を見つめる。俺も同じ方向を見るがそれらしい物は見えない。 「確かに・・・見たんです!」 「火事の煙じゃないのか?さっきの事故のみたいによ?」 岡崎がめんどくさそうに言う。 「気持ちはわかるが確かめよう。生存者だったら必死だぜ。」 俺は操縦桿を握りながら無線のスイッチを再び入れる。 「レスキュー005より本部へ。ただいま発煙筒らしき煙を確認した。生存者の可能性があるため、 これから確かめる。」 「本部了解。気をつけてください。」 機体を取って返し、もう一度同じコースを飛んでみる。やはり煙は見えない。 「まさか、気付いたときには煙切れってやつかねえ?だとしたら不運の極みだな。」 「岡崎、黙って探せよ。」 「おかしいなあ・・・確かに見たんですが。確かに岡崎さんの言うような薄い煙でしたけど・・・」 「見間違いって訳じゃないんだろ?もう少し見てみよう。」 「浜崎、高度を上げてみようぜ。高いところならわかるかもな。」 岡崎がふてくされながら上をチョイチョイと指差す。 高度計がグンとあがる。上昇感を感じつつ周りの山が低くなっていくのを見る。 「残りの燃料もギリギリに近いし,これで何も無かったら引き揚げ・・・」 岡崎がそこまで言ったとき、石田が突然声をあげた。 「あああっ!あれを見てください!」 石田が指差した方向には・・・大きな建物が姿を表わしているのが見えたのだ。 そしてその屋上にはさらに、発煙筒が今点火されたらしく,煙が上がったところまでが見えた。 2人ほどの人影が見える。発煙筒を持っている人物と,上着をぶんぶん振り回している人物。 「やれやれ・・・残業だな。」 それは広大な駐車場の真中に聳え立つ大きな5階建ての建物。郊外型のショッピングセンターだった。 売り出しの日には車で埋め尽くされたであろう駐車場には今やポツポツとしかなく,どういう訳か 大型トラックが横転していた。そして、ドアが開けっ放しの車が十数台止まっている。 よく見るとダンボール箱やショッピングカート、商品らしい物がそこらじゅうにぶちまけられていた。 さらに何かの冗談のように、数多くのゾンビ達が建物を包囲するようにうろついていた。 「なんて数だ・・・!ざっと見ただけでも100・・・いや200人はいるぞ!」 俺はあたりを眺めながら絶望感剥き出しの声でだれに言う訳でもなく叫んだ。 「おそらく、暴動直後に住民がここへ詰め掛けたんだろうよ。そのうちゾンビ共がやってきて喰われたって とこじゃねえかな?」 岡崎が下を眺めながら推理めいたことを言う。 「・・・見てくださいよ、あそこに冷蔵庫や大型テレビ・・・家電製品かな?あんな物どうするんだろう。」 石田があきれたように言う。なるほど、下の連中には火事場?泥棒も含まれているようだ。 「ちっくしょう、先を越されたな、浜崎!」 ニヤニヤしながら恐ろしいことを言う。しかも俺まで仲間にされている。叩き落して餌にしてやろうかと思った。 聞こえないフリをしてヘリを屋上でホバリングさせる。室外機等の設備に注意しつつ降りれそうな場所を 見つけたのでゆっくりと高度を下げた。 「石田,気をつけるんだぞ。ゾンビもしくは成りかけじゃないか、しっかり見極めろ。」 念のため注意しておいた。。お約束過ぎるもんなそういうこと。 「はい、まかせてください!」 石田はこちらへ向けて親指を立てる。岡崎が短く笑う。 「備えよ常にってか!ハハッ!」 俺はそーっとヘリを着陸させる。このクラスの建物なら大丈夫だろう。 やがて鈍くズシンとした音が小さく響くと同時に軽く衝撃を感じた。無事着陸できたようだ。 ガラっと音を響かせながら石田が後部のドアを引き開けた。ローターの風圧で風がビュウと吹き付けてきた。 「俺も心配だから手伝ってくるよ。ヘリの事よろしくな。」 岡崎が席を立ってぽんと俺の肩を叩く。 「大丈夫ですか!?ほかに生存者の方はいますか?怪我人はいますか?」 石田が声をかけた屋上の2人は40代後半ぐらいの男性だった。顔色は少々悪いがまさしく生者そのもの。 メガネでのっぽと皮ジャンを振り回していた口髭を生やしたガタイのいいオッサン。 「後何人かいる。奴らに囲まれてもう駄目かと思ったよ。安心した。」 ホッとした顔で安堵の溜め息を漏らした。 「ヘリの音が聞こえたんで慌てて発煙筒を焚いたんだ。今までもヘリは何度か通ったけど,気が付いてくれた のはあんたらが初めてだったよ。一本目が切れた時はどうしようかと思ったが、ありがとう!」 髭のオッサンが乗り込んできた。顔はほころんでいたが、何故か目は笑っていなかった。 「全部で何人です?10人ぐらいまでだったらイケるよ!」 岡崎が身を乗り出してメガネに尋ねる。多くなけりゃ待たされずに、一度に行けるだろうからな。待たされたくは ないだろうしな。俺は計器を見つめながら発進の準備をした。 「自衛隊さん,仕事中悪いが、良いかな?」 オッサンが話し掛けてきた。確認作業をしながら俺は答えた。 「はい、なんでしょうか?」 「このヘリは・・・俺達が頂かせてもらうぜ!」
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星と月のきれいな夜だった。 わずかばかり満月には満たない月だったが、地上を照らす光は十分だった。 あまりに豊富な月光に、道に出るまで今が深夜だとは思えなかったぐらいだ。 照明の絶えた店内もまるで昼と変わらずに見え、そのおかげで物音ひとつ立てずに外に出ることができた。 時計は正しかったようだ。 午前三時過ぎ。丑三つ時をやや過ぎた時間。 コンクリートから道端に出て、全身に月の冷たい光を浴びると、我慢の限界に達しそうだった熱気がすこしづつ消えていくかのように感じる。 優しい。 尚也は蒼天から地上を覆う光をそう感じた。 太陽を憎む者はいても、月光を愛さない者はいない。そんな言葉を思い出した。 尚吹き抜ける風を全身に浴び、かすかに目を細める。 月明かりの下、尚也は重い足をひきづりながらある場所を目指して歩き始めた。 先ほどまで全身を覆っていた熱と、泥のようにわだかまった疲労が抜けていく。 その感触に、尚也は思わず悦楽の吐息を漏らした。 周囲を覆うのは鬱蒼とした樹木の他は、虫の音色と風に触れた枝葉の作り出す囁きのみ。 ガソリンスタンドに程近い小さな社の中で、尚也は直に地面に横たわり涼をとっていた。 あれほど強かった疼きもかなり治まっている。 冷えた大地の与えてくれる癒しに、道具があれば埋まりたいぐらいだった。 どれほどの時間がたったのか、尚也は何かしなやかなものが近づく音で目を覚ます。 かすかに空が白くなっているところから、二時間ほど眠っていたのが分かった。 足音の主は、この社を縄張りにしているのであろう大型の野犬だった。 現在、多くの動物が人を恐れなくなっている。 原因はゾンビの増加だ。人の形をしていながら道具も知恵も使えない存在の増加は、多くの動物達に餌を供給すると共に、人に対する恐怖の減少に繋がった。 特に大型の狩猟犬から見れば、人など脆弱な獲物に他ならない。 まして満足に体を動かせない尚也は、これ以上はない獲物だった。